うどん店「すじかま」横から多目的グラウンドへと登る道のとば口にあるトレーラーハウスが「チューンナップ工房 フレッシュ・R」というお店。今回はそこのご主人の蒐場(ぬたば)敏夫さんからお話をお伺いしました。
-このお店はどういうお店なんですか?
蒐)滑りにくくなったスキーやスノーボードの板を、滑りやすく仕上げる(チューンナップする)お店です。ほとんどの人はワックスを塗り直せば元通り滑るようになると思っていますが、雪にはほこり等の不純物があって単にワックスを削る・塗りなおすだけでは満足に滑るようになりません。スキーは単純に「上から下に雪面を滑る遊び」です。だから滑りが悪くて楽しく遊べないのはあまりにももったいないので、滑らなくなる数々の障害を修理・チューンナップで取り除いて、お客さんに満足に遊んでもらうようにする仕事なんです。お客さんには「なぜ滑らなくなるのか」という根本のところから説明するようにしています。
-ご出身はどちらですか?
蒐)宍粟の生まれです。中学時代に野球部に入っていたんですが、冬場はグラウンドに霜が降りて野球が出来ないので、スキーをして遊んでいました。部活はある意味、強制的な練習でしたがスキーは全くの遊びで、その分本当に面白かったんですね。そこからスキーにはまるようになりました。高校卒業後、奈良のドリームランドに就職しましたが、ある時、知人の左官屋が「冬場は足元がすごく冷えて厳しい。どうせ冷えるのならスキーが出来るほうがいい」と言って、スキーを教えるスキー場のアシスタントに転職したんです。根っから遊び好きの私(笑)は、その考えに同調して志賀高原のスキー教室で指導資格を取ってプロスキーヤーになり、冬は戸隠高原のスキー場のアシスタント、シーズン外は大阪のスキー専門店で働くようになりました。その時にチューンナップの技術も学んだんです。
-ここでお店を開くきっかけは?
蒐)山本光学という会社が当時扱っていたスキーワックス商品の販売戦略の一環としてチューンナップ店を設けることになり、縁あって私がその店をまかされることになりました。山本光学の責任者の家が山口町で、この前をよく通っていて懇意の会社(ライチョウグループ)もあったことから、店の場所もここになり2004年にオープンしました。
-今もスキーはされてるんですか?
蒐)71歳になりましたが、今も現役でスキーしています。チューンナップの成果も実際に確かめています。本当に「雪を滑る遊び」が大好きなんですよ(笑)。55年間もスキーに携わってきましたから、出来る限り今の仕事を続けて、少しでもスキーに恩返ししたいと思っています。
(インタビュアー:中西 学)
#新聞HPだけの掲載写真。
#「チューンナップ工房 フレッシュ・R」店内の様子です。
#スキーは全くの無知なんですが、作業が結構重労働であることだけは判りました(;^_^