船坂に伝わる民話のひとつに、船坂峠に出没する “ひだる坊” の話がある(話の内容は船坂新聞43号、または「やまぐちの里」(山口徳風会刊)を参照いただきたい)。
数年前、偶然にテレビ及びラジオで “ひだる坊” なる妖怪が熊野古道に出没することを知った。「何でもよいから飲食物を供える、とよい」など似ている。
田辺市教育委員会文化振興課の新田氏のお話によると、南方熊楠氏全集第3巻(平凡社刊)に「東南アジアの山岳地域に伝わる “ひだる坊(ひだる神)”に由来する」と記述がある、また、田辺妖怪特集への記載や “ひだる坊” をモチーフにしたゆるキャラ「だるだる」が製作されているとのこと。
有馬中興の祖、仁西上人は熊野出身であり、多くの熊野地方からの旅人がこの話をして、それが船坂で脚色されて伝えられてきたのであろう。
(投稿 与志朗)
<参照リンク>
船坂新聞43号