今回は船坂から有馬に向かう有馬街道沿いのとば口にある「JIB船坂」の杉原寛信さんから話をお聞きしました。杉原さんの自宅は別にありながら、ほとんど船坂で暮らされているとのこと。全く知らずに失礼いたしました(;^_^。
-JIBさんはヨットの帆の生地を使ったカバンなどで有名ですが、船坂に店をだされて何年になりますか?
杉)5年ほどになりますね。私たちJIBは製造業で、創造や発想といったものがすごく大事なんですが、それらは自然の中の”遊び”で湧いてくることが多いんですね。なので、まず従業員たちの創造・発想を生み出す空間の”アトリエ”を設けました。ここでいろんなイベントを行っていて、JIBのホームページでお知らせしています。また、私が音楽が好きなので、ジャズライブを月に一度のペースで開いてますよ。スタッフとバンドも組んでいてドラムを担当しています。その後「少しのスペースでも店は出来るんですよ」というデモンストレーションでアトリエの横に店も設けました。
-船坂のことはご存じだったんですか?
杉)私は西宮市出身で、確か小学校の林間学校ではじめて船坂に来たんだったかなぁ。お寺に泊まったことを覚えています。その後も船坂にはよく遊びに来ました。夏はクールダウンで船坂川に飛び込んだりしてました(笑)。街から20分もあれば、こんな自然いっぱいのところで遊べるんですから、本当に船坂はいいところだと思います。西宮市内で一番好きな場所です。だからこの場所が売りにだされた時、すぐ行動にうつしたんです(笑)。
-街中のほうが生活するには便利な気がするんですが…
杉)いやいや。車は必要ですけど、ここでも必要なものは全て揃いますよ。10分あれば山口に、宝塚や西宮市街も20分あれば行けるんですから。逆に街のほうが「いらない」ものが多くあって不便だと思うことすらあります。待ち時間は長いし車は置くところがないし、ストレスも多くなりますよ(苦笑)。住む人たちも余裕がないというか、「我れ先に」といったところがあるのに、船坂の人たちはそれがないです。「良かったら持っていき」「これ食べ」といった譲り合いがあって、本当にいい人たちが多いと感じています。
-JIBさんは海のイメージがあるので、船坂にJIBさんが来たときは意外に思いました。
杉)海もそうですが山も川も、自然が好きで自然の中で遊ぶのが好きで、そこからJIBが生まれたんです。ただ、自然を敬愛してますが、同時に畏怖もしています。自然のなかで遊ぶと同時に生き延びることも学んだので、自然に対しては畏敬の念を感じています。そんな自然に囲まれた船坂の環境は残していきたいし、JIB船坂はその邪魔にならないようにして、ずっと続けていきたいと思っています。
(インタビュアー:中西 学)